
組織の持続的な成長には、管理職による効果的な部下育成が欠かせません。
ですが、業務の多様化や働き方改革など、様々な環境の変化に伴い、部下育成に課題を感じる方も増えているのではないでしょうか。
そこで今回は、管理職が実践すべき具体的な5つの行動についてご紹介していきたいと思います。管理職としての部下育成力を高め、働きがいと生産性、両方の向上を目指しましょう。
1. 具体的な目標を示し、期待を明確に伝える
会社の目標と個人の目標をつなげる
管理職による部下育成において、個人の仕事や目標を、会社のミッション/事業と紐づけ、その意味や意義をを丁寧に伝えることはとても大切です。同時に現在の業務や役割の中で、未来に向けてどんな期待を抱いているのか、次の半期や1年を通じ、求める成果や成長を求めているかを明確に伝えましょう。果たすべき役割や目的地をお互いに理解し合うことが、部下育成においては重要です。
具体的な数字と期限で目標を設定する
管理職として部下育成を効果的に進めるには、抽象的な表現を避け、具体的な数値と期限を明確にしましょう。例えば、「品質向上」といった抽象的なものよりも、「月間クレーム数を10件から3件に削減」といった、具体的目標があることで、向き合うべき仕事や目指すべき方向も分かりやすくなります。目標設定時には部下との対話を設け、達成可能性やリソースについても話し合い、安心して目指せる状態をつくることも大切です。
2. 適切なフィードバックを通じ、成長を後押しする
具体的な事実を示して評価を伝える
管理職からのフィードバックは、部下の成長に大きな影響を与えます。「いい仕事をしている」という抽象的な表現ではなく、「先日のプロジェクトで代替案を準備し、スムーズな合意形成ができた点が効果的だったよ」など、具体的な行動とその効果を明確に伝えることで、部下は何が評価されているのかを正確に理解できるでしょう。
フィードバックの記録を残し、成長を振り返る
日々のフィードバックは、行動や成果、評価のポイント、今後の期待を記録として残すことが大切です。これらは定期評価の重要な参考資料となり、また成長の軌跡を振り返ることで、部下自身のモチベーション向上にもつながります。継続的な記録の積み重ねが、より効果的な育成に繋がっていきます。
3. 少し難しい仕事を任せ、能力を引き出す
レベルに合わせて、徐々に難しい仕事を任せる
部下の成長には、段階的な責任の付与が効果的です。まずは現状の業務範囲内での判断権限を与え、その後、小規模なプロジェクトリーダーを任せるなど、責任範囲を広げていきます。成長に応じて、部門横断プロジェクトや重要顧客との折衝機会を提供するなど、より高度な経験を積むことで、能力がストレッチされていきます。
いつでも相談できる体制を整える
チャレンジングな業務を任せる際は、週次の定例レビューで進捗や課題を確認しつつ、緊急時の相談体制も整えておきます。メンター制度の活用やチーム内での相互支援の仕組みづくりなど、多角的なサポート体制があることで、部下は安心して新しい挑戦に取り組むことができるでしょう。
成功と失敗から学ぶ機会を作る
もし部下が失敗してしまっても、非を責めるのではなく、効果的だった施策や困難だった点についてともに振り返りましょう。これらの振り返りから学び得たものを、次のチャレンジに活かせるよう、具体的なアクションプラン策定まで支援することで、より確実な成長につながっていくでしょう。

4. 答えを教えずに、考える力を育てる
「どう思う?」の質問で考えを引き出す
効果的な質問で部下自身の思考力を高めていきましょう。「その状況をどう分析しますか?」「他にどんな選択肢がありますか?」といったオープンな質問から、「それぞれの選択肢のメリット・デメリットは?」とより深い思考を促す質問へと展開することで、部下の問題解決能力を育てることができます。
部下と一緒に解決策を考える
まず現状把握と課題の明確化から始め、考えられる選択肢を幅広く洗い出すよう導きます。その後、各選択肢の評価を行い、最適な解決策を選定していきます。プロセスを共に歩むことで、思考の整理方法や多角的な分析手法を実践的に学ぶ機会を提供することができるでしょう。
具体的な行動計画づくりをサポートする
解決策を具体的な行動計画に落とし込む際は、実施すべき内容、時期、必要なリソースを明確にし、期待される成果と進捗確認方法など、できる限り行動計画を策定します。管理職が全て決めるのではなく、部下自身が主体的に考え、実行可能性の高い計画を立案できるよう、適切な助言を提供していきましょう。
5. 失敗を恐れない、安心して働ける環境をつくる
部下を知り、理解する時間をつくる
部下育成において、上司と部下の信頼関係はとても重要です。信頼関係を築いていくためにも、まずは自身の部下のことを丁寧に理解していきましょう。部下の性格や強み、弱みを把握することで、関わり方のヒントを得られたり、部下が自分らしく成果を求め、成長することを支援できるようになるはずです。
管理職から積極的に自己開示する
部下を一方的に知るだけでなく、管理職自身が積極的に自己開示することで、部下育成における信頼関係の構築に役立ちます。管理職として大切にしたい価値観や、素直な気持ちを伝えることで、こちらのアドバイスや指示に耳を傾けてくれたり、部下も安心して上司を頼れるようになっていきます。安心して働ける環境があることで、部下は自分らしさを発揮し、失敗を恐れず挑戦していくこともできるようになります。
心の健康をサポートする体制づくり
定期的なストレスチェックや産業医との面談機会の設定、管理職自身のメンタルヘルス研修受講を通じて、部下のストレスサインを早期に発見できる体制を整えます。適切な休暇取得を促進し、部下が心身ともに健康的に働ける環境をつくることも、部下育成の一環です。
部下育成で押さえるべき5つの行動とは?まとめ
部下育成は、管理職にとって最も重要な役割の一つです。人はすぐに育つものではありませんが、紹介したアクションや施策を地道に積み重ねることで、部下の力は伸びていくはずです。
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