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部下育成で大切なこととは?部下を育てながらチーム成果を出す方法

部下を育てることが大切なのは分かっている。


けれど、納期が迫っていたり、仕事が立て込んでいたりすると、部下の育成よりも、目の前の業務をスムーズに進めることを優先してしまう。


締切や納期に追われ、部下に仕事を任せて育成することができずに悩んでいる課長・部長などの管理職

部下に任せようと思っても、

「予定どおりに進むのか?」

「求めている内容と違うものになるかも…」

「問題が起きたら、対応する時間がない…」

と不安になり、結局、自分で進めてしまうこともあります。


直接部下をマネジメントしている課長・部長の中には、このような経験がある方も多いのではないでしょうか。


今回は、管理職の越境コミュニティ「Good Team LOUNGE.」の会員の方から寄せられた、次のご相談にGood Teamメンターがお答えします。

💭 今回の管理職のお悩みPickup


育成よりも、業務遂行がスムーズにいくことを、つい優先してしまいます。

特に時間に余裕がない時は、ハラハラしてしまって任せきれません。

( 国際関連機関/係長/女性 )

Good Team LOUNGE.(入会無料)では、毎月会員の皆さまから届くマネジメントに関するお悩みをメンターがピックアップしてお答えしています。


管理職だって人間ですものね。忙しい時や余裕がない時には、今回のご相談者の方と同じように、部下へ任せることが不安になるのは、おかしなことではありません。


そんな時に意識したい、管理職として抑えるべき、部下育成で大切なポイントは、一度に多くのことをできるように育成する必要はないということ。


本人が今後伸ばしたいことと、チームが今後必要とすることを踏まえて、今回の仕事で何を一つ育てるのかを決めることです。


そして、何を育てるかが決まってから、

  • 今回、最低限守ること

  • 部下に任せること

  • 管理職が支えること

  • 自分が手放してよいこと

  • 途中で確認すること

を整理します。


また、部下の育成を、直属の上司一人ですべて担う必要はありません。


業務に詳しいチームメンバーや、他部署の関係者、社内外のプロジェクトメンバーなど、部下の経験を支えられる人の力も借りながら、学び、考え、実践できる環境をつくることも、管理職ができる育成の一つです。


今回の仕事で部下に何を経験してもらうのかを決め、そのために必要な任せ方や支援、周囲とのつながりを整えることです。


この順番で考えることで、部下の成長につながる任せ方が明確になり、まずは、管理職も思考を定められるので肩の荷を少し下ろすことができます。

そして、チーム成果を切り離さず、目の前の業務を進めながら育成にも取り組みやすくもなります。


目次


部下育成で大切なことは、育てるテーマを一つに絞ること


部下育成を、『部下が、一人ですべての仕事をできるようになること』と捉えると、管理職にとって育成がとても大きな仕事になります。


部下に足りないことが複数見えるほど、

「これも教えなければならない」「あれもできるようになってもらわなければならない」と、育てたいことが増えていくからです。


一度に多くのことを求めれば、部下にとっても負担になります。


そして、時間に余裕がない時には、「今は育成している場合ではない」と、目の前の業務を優先したくなります。


部下育成は、一つの仕事を通して、すべてをできるようにしてもらうことではありません。

本人が担える仕事や役割を、中長期的な視点で少しずつ広げていくことと捉えてみてください。


例えば、今回の仕事では、

  • 仕事の目的を理解する

  • チームの方針と自分の業務のつながりを理解する

  • 自分で進め方を考える

  • 関係者と調整する

  • 問題が大きくなる前に相談する

  • 自分の判断を言葉で説明する

この中の一つが前に進めば、それも部下の成長です。


部下育成で大切なのは、できていないことをすべて埋めようとするのではなく、『今回の仕事を通して、何を一つ身につけてもらうのか』を決めることです。



部下に仕事を任せるとハラハラする時に考えたいこと


今回のご相談では、

「特に時間に余裕がない時は、ハラハラしてしまって任せきれない」と、ご自身の感情や状態を言葉にされています。


ここで大切なのは、ご相談くださった管理職の方が、

部下だけに原因を求めるのではなく、自分が感じている不安と、任せきれない行動とのつながりに気づけていることです。


すでに【管理職としての自分の状態】にまで気づいているため、

「管理職なのだから、もっと部下に任せなければならない」

「部下の失敗を受け入れなければならない」

と、さらに正しさを重ねて自身を責めたり追い込む必要はありません

十分、大切な一歩を踏み出せています。


必要なのは、

不安を感じないようにすることでも、ハラハラしながら我慢して任せることでもありません。

まず、自分が何を恐れているのかを具体的にします。


部下に仕事を任せた時に起こるかもしれない出来事だけではなく

『その結果、自分がどうなることを恐れているのか』

まで考えてみてください。



例えば、

  • 納期に間に合わず、管理職として自分の責任を問われることが怖い

  • 求める品質に届かず、自分の任せ方や判断が間違っていたと思われることが怖い

  • お客様や関係者に迷惑をかけ、これまで築いてきた自分への信頼を失うことが怖い

  • 最後に仕事を巻き取ることになり、時間に余裕がない自分がさらに追い込まれることが怖い

  • 部下の失敗を支えきれず、管理職として十分な役割を果たせない自分になることが怖い

  • チームの成果が下がり、自分のチーム運営を否定されたように感じることが怖い


などが考えられます。


ただし、何を恐れているのかは、人や仕事によって異なります。

ハラハラしている自分に気づいた時は、次のように問いかけてみてください。


---------

この仕事を部下に任せて、

思うように進まなかった時、

私は「自分がどうなること」を一番恐れているのだろう?

---------


部下が育てられずに悩みながら、育てられない自分自身の内省を深める女性管理職

これは、自分の弱さを探したり、責めたりするための問いではありません。

自分の不安の正体を理解し、どのような進め方であれば、部下に任せながら自分も安心して仕事を進められるのかを考えるための問いです。


例えば、

『最後に自分が仕事を巻き取り、さらに追い込まれることが怖い』のであれば、


  • 最終期限より前に完成日を伝えておく

  • 途中の確認ミーティングを複数設定しておく

  • メンバー同士でサポートし合う仕組みを設計する

  • 担当する部下が、つまづきやすい点や不安を感じることを事前に確認してフォロー方法を相談しておく


『お客様や関係者に迷惑をかけ、これまで築いてきた自分への信頼を失うことが怖い』のであれば、

仕事を任せる前に、

  • 必ず守るべき約束や品質

  • お客様や関係者へ伝える前に確認すること

  • 問題が起きそうな時に相談してほしいタイミング

  • 管理職が途中で確認する段階

を、部下と共有しておきます。


最終的な提出や連絡の直前に初めて確認するのではなく、早い段階で認識を合わせる機会を設けることで、お客様や関係者への影響を防ぎながら、部下に考えて進めてもらうことができます。



ちなみに、著者自身にも「お客様や関係者に迷惑をかけ、これまで築いてきた自分への信頼を失うことが怖い」という思いが強くありました。


そのため、長くお付き合いがあり、すでに信頼関係を築けていたクライアントには、新人と一緒にプロジェクトを担当する理由や支援体制を、開始前に下記のような説明をするようにしていました。


今回のプロジェクトは、新人の〇〇と一緒に担当いたします。 今後、御社へのご支援体制をより強化していくため、 今回は〇〇が主担当を務め、私も責任者として共に進行や品質を確認しながら伴走いたします。 至らぬ点もあると思いますが、御社について学ばせていただきながら取り組んでまいりますので、 気になる点がございましたら、どうぞ率直にお申し付けください。

クライアントに対して、新人に任せることだけを伝えるのではなく、

  • なぜ新人にも担当してもらうのか

  • 管理職や責任者はどのように関わるのか

  • 品質や責任を誰が担うのか

を事前に説明することで、クライアントにも安心していただきやすくなりました。


そして、何より著者自身が、クライアントが状態を知ってくれているという安心感のもと、部下を育てながらプロジェクトを進めることへの不安が大きく軽減しました。

途中で発生するアクシデントなども心に余白を持って対応できました。


そして、副次効果もありました。


クライアントから率直に意見をいただけるようになり、著者がすべてを直接修正するのではなく、新人本人が相手の要望を受け止め、考え、改善する経験にもつながりました。

お客様との信頼を守りながら、部下が成長できる進め方ができました。


このように、自分が何を恐れているのかが分かると、ただ不安を抱えたまま見守るのではなく、その不安に対して何を準備し、関係者や部下と何を共有しておけばよいのかなどの対策が見えやすくなります。


結果、チームの成果に挑みながら焦らずに、部下が成長できる進め方を考えられるようになるのです。




部下の成長とチーム成果を両立する育成テーマの決め方


自分が何を不安に感じているのかを整理したら、次に、今回の仕事で何を育てるのかを決めます。


育成テーマを考える時は、次の3つを確認します。


  1. チームが今後、成果を出すために必要なこと

  2. 本人が伸ばしたい力や、今後担いたい役割

  3. 現在の業務の中で経験できること


この3つの視点を照らし合わせ、現在の業務の中で何を優先して育てるのかを決めます。

もちろん、本人が希望していることと、チームに必要なことが、いつも完全に一致するとは限りません。


それでも、本人との対話を通して、

  • 今後どのような仕事に挑戦したいのか

  • どのような力を伸ばしたいのか

  • 今の仕事をどのように捉えているのか


を確認することで、本人のキャリアとチーム成果の重なりを考えやすくなります。


例えば、本人が今後、より大きな案件を担当したいと考えており、チームとしても提案力を高める必要がある場合は『チームの方針を踏まえて、提案内容を自分で考える』という経験を今回の育成テーマにできます。


また、部下にチームのビジョンや方針を、より深く理解してほしいと考えている場合は、『今回は、チームのビジョンと自分の業務が、どのようにつながっているのかを理解してもらう』という育成テーマになるかもしれません。


一人で最初から最後まで完璧に仕事を進められるようになることを、毎回の育成目標にする必要はありません。

今回の仕事で何を一つ育てるのかが決まることで、部下が何を意識して仕事に取り組めばよいのかが明確になり、管理職も、部下にどの部分を任せるのかを考えやすくなります。


目標設定理論では、明確な目標は、人の行動を方向づけることに関わると整理されています。今回の仕事で何を育てるのかを一つ決めることは、部下が何を意識して取り組めばよいのかを明確にするうえでも大切です。[※1]


育成テーマから考える「部下を育てる方法」


今回育てることを決めたら、その目的に合わせて、最低限守ることと部下に任せることを整理します。


例えば、今回の育成テーマを、

『チームのビジョンと、自分が担当する業務のつながりを理解すること』と決め、部下に提案資料の作成を任せる場合は、次のように整理できます。

整理すること

内容の例

今回育てること

チームの方針と提案の目的を踏まえて、資料の構成を考えること

最低限守ること

お客様との約束、提案の目的、必ず入れる情報、最終提出日

部下に任せること

資料の構成、説明する順番、具体的な表現を考えること

管理職が支えること

チームの方針、提案の背景、お客様の状況、変更できない条件を伝えること

途中で確認すること

構成案の段階で、提案の目的からずれていないか、必要な情報が入っているかを確認すること

早めに相談してほしいこと

予定どおりに進まない時、判断に迷った時、お客様の要望とチームの方針が合わない時

周囲に協力をお願いすること

専門的な内容は詳しいメンバーに確認してもらい、必要に応じて関係者との打ち合わせに同席してもらうこと

自分が手放してよいこと

自分と同じ手順、構成、言葉遣いで作ることを求めること


今回育てることが決まっていなければ、部下に何を考えてもらい、どこを任せるのかが曖昧になります。


反対に、育成テーマが明確になっていれば、

  • どの判断を部下に任せるのか

  • 管理職は何を説明する必要があるのか

  • 途中で何を確認するのか

  • 仕事の後に何を振り返るのか

を一つの流れとして考えられます。



補足ですが、ここでいう「手放す」とは、管理職としての責任を手放すことではありません。

自分と同じ方法や表現でなければならない、という部分まで求めず、部下が自分で考えられる余地を残すことです。


一方で、納期や品質、お客様との約束など、管理職として守る必要があることまで手放す必要はありません。


委任に関するLeanaの研究では、上司が部下をどのように捉えているか、上司自身の仕事量、意思決定の重要性などが、委任の程度と関係していました。誰にでも同じように任せるのではなく、部下や仕事の状況を踏まえて任せ方を考える必要があると捉えられます。[※2]



部下を育てるのが上手い上司の5つの実践ステップ


部下を育てるのが上手い上司は、多くの仕事を任せる人でも、すべてを丁寧に教える人でもありません。


本人の成長とチームの成果の両方を考えながら、今回の仕事で部下に何を身につけてもらうのかを決め、その目的に合った任せ方や進め方を整えています。


また、部下の育成を、直属の上司一人ですべて担う必要はありません。

業務に詳しいチームメンバー、他部署の関係者、社内外のプロジェクトメンバーなど、部下の経験を支えられる人の力も借りながら、学び、考え、実践できる環境をつくることも大切です。


部下育成を一人で抱え込まずに、チームで育てる働きかけをする課長・部長などの中間管理職


部下の成長を促しながらチーム成果を出すために、ここまでお伝えしてきた内容を、日々の仕事で実践する順番に整理すると、次の5ステップになります。


  1. 部下に仕事を任せた時、自分が何を恐れているのかを確認する

  2. 今回の仕事で、部下に何を一つ身につけてもらうのかを決める

  3. 最低限守ること、部下に任せること、管理職が支えること、自分が手放してよいことを分ける

  4. 途中で確認すること、早めに相談してほしいこと、周囲に協力をお願いすることを決める

  5. 仕事の後に振り返り、次に任せることを考える



一人で育成を抱えず、周囲の力も借りること

部下を育てるのが上手い上司は、育成を一人で抱え込み、何でも自分で教えているわけではありません。


例えば、

  • 専門的な知識は、詳しいチームメンバーから教えてもらう

  • 過去の経験は、経験のあるメンバーから共有してもらう

  • 関係者との調整は、実際の打ち合わせに参加して経験してもらう

  • 必要に応じて、他部署や社外の関係者にも協力をお願いする


というように、今回育てたいことに合わせて、周囲の力も借りながら経験できる機会をつくります。


ただし、周囲に育成を任せきるのではなく、

  • 部下に何を経験してほしいのか

  • 協力者に何をお願いするのか

  • 最終的な判断や責任を誰が持つのか

は、管理職が整理して共有しておきます。



仕事後の振り返りを次の経験につなげること

そして、仕事を任せた後は、成果物の良し悪しだけで終わらせず、下記を部下と一緒に振り返ります。


  • 今回できるようになったこと

  • 自分で判断できたこと

  • 判断に迷ったこと

  • 周囲の力を借りて進められたこと

  • 次回はどこまで自分で進められそうか


Kolbの経験学習モデルでは、経験をした後に振り返り、そこから得た気づきを整理して、次の実践へつなげていく循環が重視されています。[※3]


部下育成は、一度の仕事で大きく成長してもらうことでも、管理職が一人ですべてを教えることでもありません。


今回育てることを一つ決め、周囲の力も借りながら経験できる機会をつくり、その経験を次の仕事へつなげていくことが大切です。



管理職のお悩みに、メンターがお答えします


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社内では話しづらいマネジメントの悩みを相談したい方や、他社の管理職やメンターの考えに触れたい方は、ぜひGood Team LOUNGE.をご利用ください。入会費は無料です。


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この記事を書いた人

山田 聖子|MASAKO Yamada

株式会社Hitoiro 代表/管理職の社外メンターサービスGood Team代表


管理職の社外メンターサービスGood Teamを運営する株式会社Hitoiro代表取締役 山田聖子

成人発達理論をベースに、管理職自身の実践を起点にしながら、一人ひとりの強みや経験を生かし、チームとして成果を出すための判断や関わり方を扱うリーダーシップ開発に取り組んでいる。社外メンタリングを通じて、これまで延べ1,000人以上の管理職の支援に携わってきた。



参考文献・出典

[※1]Locke, E. A., & Latham, G. P.(2002)“Building a Practically Useful Theory of Goal Setting and Task Motivation: A 35-Year Odyssey.” American Psychologist, 57(9), 705–717.https://doi.org/10.1037/0003-066X.57.9.705


[※2]Leana, C. R.(1986)“Predictors and Consequences of Delegation.” Academy of Management Journal, 29(4), 754–774.https://doi.org/10.5465/255943


[※3]Kolb, D. A.(1984)Experiential Learning: Experience as the Source of Learning and Development. Englewood Cliffs, NJ:Prentice-Hall.




部下育成について「よくある質問」


部下を育てるのが上手い上司には、どのような特徴がありますか?

部下を育てるのが上手い上司は、今回の仕事で何を育てるのかを決め、その目的に合わせて仕事を任せています。

部下に考えてもらうこと、上司が支援すること、最低限守ることを分け、仕事の後には、今回できるようになったことを一緒に振り返ります。

また、必要に応じてチームメンバーや関係者の力も借りながら、部下が経験できる機会をつくっています。


部下育成では、何を育てるかをどのように決めればよいですか?

次の3つの視点を照らし合わせて考えます。

  • チームが今後、成果を出すために必要なこと

  • 本人が伸ばしたい力や、今後担いたい役割

  • 現在の業務の中で経験できること


3つが完全に一致する必要はありません。

今の業務で経験できることの中から、本人とチームの今後にとって優先度が高いことを一つ決めます。


時間に余裕がない時も、部下を育成した方がよいのでしょうか?

時間に余裕がない時に、育成のための新しい仕事や長い面談を増やす必要はありません。

現在の業務の中で、

  • 今回、何を一つ経験してもらうか

  • どの部分を部下に任せるか

  • 途中で何を確認するか

を決めることで、目の前の仕事を進めながら育成にも取り組めます。

一度に多くのことを育てようとせず、今回の仕事でできる小さな一歩に絞ることが大切です。


部下に仕事を任せるとハラハラする時は、どうすればよいですか?

まず、何にハラハラしているのかを具体的にします。

進捗が見えないこと、完成した内容が求めているものと異なること、問題の報告が遅れることなど、不安の内容によって必要な対応は異なります。


そのうえで、

  • 仕事を始める前に確認すること

  • 途中で確認する内容と日程

  • 早めに相談してほしい状態

を部下と共有します。


不安を我慢して任せるのではなく、管理職も安心して任せられる進め方をつくることが大切です。


部下の育成を、他のチームメンバーにお願いしてもよいですか?

はい。部下の育成を、直属の上司一人ですべて担う必要はありません。

業務に詳しいメンバーから専門知識を教えてもらったり、経験のあるメンバーに過去の事例を共有してもらったり、関係者との打ち合わせに同席してもらったりすることも、部下の成長につながります。

ただし、協力をお願いする時は、

  • 部下に何を経験してほしいのか

  • 協力者に何をお願いするのか

  • 最終的な判断や責任を誰が持つのか

を明確にしておくことが大切です。


部下の仕事を途中で確認すると、細かく管理しすぎてモチベーションを下げてしまいませんか?

途中で確認することは、手戻りを防ぎ、成果や品質を守るために大切です。

ただし、確認の頻度や内容は、部下の成熟度(担当業務に対する経験や習熟度)に応じて変える必要があります。


初めて担当する仕事や、まだ一人で判断することが難しい仕事であれば、早い段階で認識を合わせ、途中でもこまめに確認します。


一方で、十分な経験があり、自分で判断して進められる部下に対して、細かな部分まで頻繁に確認すると、「任せてもらえていない」と感じることがあります。


特に、確認のたびに管理職が、

  • 次に何をするかを細かく指示する

  • 部下が考えた内容を、すぐに自分の案へ置き換える

  • 自分と同じ手順や表現に修正する

といった関わりをすると、部下が自分で考え、判断する仕事まで奪ってしまいます。

これがモチベーションを下げてしまう原因になります。


その状態が続けば、「自分で考えても意味がない」「上司の言う通りにだけしよう」と感じ、主体性やモチベーションが下がることがあります。


途中確認で大切なのは、管理職がすべての答えを与えることではありません。

  • 仕事の目的からずれていないか

  • 最低限守る条件を満たしているか

  • 大きな問題につながる可能性がないか


これらを確認したうえで、

  • この構成にした理由は何ですか?

  • ここから、どのように進めようと考えていますか?

  • 今、判断に迷っていることはありますか?


などと問いかけ、部下自身に考えてもらいます。


部下の成熟度に応じて確認の頻度や支援の量を調整し、必要なことは確認しながらも、部下が考える仕事まで奪わないことが大切です。

それによって、成果や品質を守りながら、部下の主体性やモチベーションも保ちやすくなります。



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