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管理職候補者が管理職になりたくない理由と育成方法

  • 執筆者の写真: 山田 聖子|MASAKO Yamada
    山田 聖子|MASAKO Yamada
  • 1月8日
  • 読了時間: 7分

更新日:12 分前

管理職候補者が昇進をためらう背景には、忙しさだけでなく、役割が見えない不安や自己決定感を失う懸念があります。人事には、昇進を説得する前に本人の不安を聞き、役割を分解して強みと結び付け、社外との対話や現場実践を通じて本人なりの管理職像を育てる取り組みが求められます。


「マネージャーを任せたいと言っても、いい返事がもらえない」 「今の管理職が疲弊していて、管理職候補者に希望を見せられない」

こうした悩みを抱える人事担当者もいるのではないでしょうか。

管理職候補者が感じている不安は、単なる忙しさや責任の重さだけとは限りません。

管理職になることで、自分の人生の主導権や自己決定感を失うのではないかという懸念が含まれていることがあります。


本記事では、管理職候補者が管理職をためらう背景を整理し、本人なりの管理職像を育てるために人事が押さえたい方法を解説します。

管理職候補者が管理職になりたくない理由

管理職になりたくない人は77.3%|調査データが示す傾向

なぜ、次世代リーダーたちはこれほどまでに管理職を避けるのでしょうか。 日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)の調査では、一般社員の77.3%が「管理職になりたくない」と回答しています。 この割合は2018年(72.8%)から増加しており、管理職志向の低下が進んでいることが分かります。

この数字は、「一部の若手が消極的」という話ではありません。 組織の中核を担うはずの層そのものが、管理職を魅力的な選択肢として見られなくなっている現実を示しています。


「向いていない」と言葉の奥にある不安

同調査で「管理職になりたくない理由」として最も多かったのは、「自分は管理職に向いていないと思うから」という回答でした。

この言葉の奥には、自己評価や自己理解に関する不安が含まれている可能性があります。 たとえば、管理職になることで次のような状況を懸念している場合があります。

  • 私生活が仕事に飲み込まれるのではないか

  • 自分らしいキャリアを描けなくなるのではないか

  • 成果も人も、すべて背負わされるのではないか


人事に求められるのは、知識を一方的に上乗せすることではなく、本人が管理職という役割をどのように捉えているのかを聞き、その意味づけを支えることです。

管理職への不安を減らす役割分解

なぜ管理職は「全部背負う仕事」に見えるか

管理職候補者が「管理職は無理です」と口にするとき、マネジメントを「巨大で複雑な、何でも担う役割」と捉えていることがあります。

評価、育成、成果、トラブル対応、上司と部下の間の調整などが一つの塊に見えている状態では、「管理職になるか、ならないか」という二者択一になりやすくなります。


管理職の役割を4つに分けて考える(関係性・戦略・組織・成長)

そこで有効なのが、管理職の役割を分解して可視化することです。 例えば、マネジメントを次の4つの領域に整理します。

  • 関係性:メンバーとの信頼関係をどう築くか

  • チーム戦略:どこを目指し、どう舵を切るか

  • 組織構築:成果を出すための仕組みをどう作るか

  • 成長支援:メンバーの強みや可能性をどう引き出すか

役割を分けることで、管理職を正体の分からない重圧ではなく、個別に経験し、学べる仕事の集合として考えやすくなります。


「全部やらなきゃ」から「自分の強みから始める」への転換

役割の解像度が上がると、「最初からすべてを一人で担わなければならない」という思い込みを見直せます。

「関係性づくりは得意だから、まずはここから始める」

「戦略はまだ苦手なので、学びながら経験する」

というように、自分の持ち味を起点として現在地を把握できます。


得意な領域とこれから学ぶ領域を分けることは、管理職候補者が自分なりの成長課題を考える土台になります。これは、管理職への第一歩を踏み出すための非常に重要な心理的土台です。



人事が管理職候補者の不安を減らす進め方


本人が感じている不安を聞く

最初に、管理職をためらう理由を「忙しさ」「役割への不安」「キャリア観」「支援体制」などに分けて確認します。昇進の意思を迫る前に、本人が何を失うと感じているのかを言語化します。



役割を分解して現在地を確認する

管理職の仕事を関係性、チーム戦略、組織構築、成長支援などに分け、経験がある領域と学ぶ領域を整理します。役割を一つの大きな負担として見せないことが重要です。



強みから小さな現場実践を始める

本人の強みが生きる役割から、小さな実践テーマを設定します。実践後は振り返り、次の行動を決めるリーダーシップPDCAにつなげます。



社外の対話で管理職像を広げる

社内の期待だけでなく、他社・他業界の管理職との対話を通じて、自分なりの管理職像を考える機会を設けます。研修で知識や型を学んだあとに、現場で動かすための実践と振り返りを組み合わせる方法があります。



管理職経験をキャリアの成長機会として捉える


管理職を人生の一つのステージとして考える

管理職という期間は、単なる社内の階級ではなく、自分の判断や関わり方を広げる一つのステージとして捉えることもできます。

昇進の受諾を急がせるのではなく、その経験が本人の人生やキャリアにどのようにつながるのかを考える時間を設けることが重要です。



管理職経験と結び付けて考えたい3つの要素

  1. 人生キャリアの目的:

    今の役割が、将来どのような自分につながるのかを言語化する


  2. 強みの発見:

    誰かを模倣するのではなく、自分の持ち味でチームに貢献する


  3. 支え合う仲間:

    社外の同期と対話し、孤独を抱え込まない


これらを整理することで、管理職をただ耐える役割ではなく、自分らしく挑戦する経験として検討しやすくなります。



管理職候補者の育成に関するよくある質問


管理職になりたくない社員には、どのように声をかければよいですか?

まずは昇進を説得せず、何に不安を感じているかを聞きます。

そのうえで役割を分解し、本人の強みを生かせる仕事や支援体制を一緒に確認します。



管理職研修だけでは不十分なのでしょうか?

研修は知識や型を学ぶ機会として有効です。

一方、本人の迷いや現場固有の課題には、対話、実践、振り返りを継続する伴走を組み合わせる方法があります。



管理職候補者の育成はいつ始めるべきですか?

正式な昇進打診の前から始める方法があります。

小さなリーダー経験と振り返りの機会を設けることで、本人は管理職の役割と自身の適性を具体的に考えられます。



まとめ|管理職候補者に役割を探求する場を用意する


管理職になる前から実践と振り返りを支える


管理職候補者の迷いに向き合うには、昇進後に必要なスキルを先に教えるだけでなく、本人が抱える不安を聞き、管理職の役割を分解し、自身の強みと結び付けることが重要です。


そのうえで、管理職になる前の現在の立場で担える小さなリーダー経験を用意し、実践後の振り返りと次の行動につなげます。研修で学んだ知識や型を昇進前の現場で試す機会が、本人なりの管理職像と成長課題を考える助けになります。


Good Teamは、管理職育成で出会い、研修だけでは変わりにくい管理職の次の成長に向けて伴走する社外メンターサービスです。管理職の役割を管理職12役割の型で捉え、本人の強みと結び付け、リーダーシップPDCAによる現場実践まで支援します。

管理職候補者の育成では、「管理職キャリア探求会」を提供しています。 管理職の役割を構造的に理解し、自分なりのスタンスを言語化していくプログラムです。


サービスを選ぶ前に育成課題を整理する

<人事・経営の皆様へ>

管理職候補者が抱える不安や、研修後の現場実践に課題がある場合は、サービスを選ぶ前に対象者・育成課題・目的をお聞かせください。



この記事を書いた人

山田 聖子|MASAKO Yamada

株式会社Hitoiro 代表/管理職の社外メンターサービスGood Team代表

山田 聖子

成人発達理論をベースに、管理職自身の実践を起点にしながら、一人ひとりの強みや経験を生かし、チームとして成果を出すための判断や関わり方を扱うリーダーシップ開発に取り組んでいる。

社外メンタリングを通じて、これまで延べ1,000人以上の管理職の支援に携わってきた。


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