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1on1で話すことは、部下の状況・成長・業務・関係性です

執筆者の写真: 山田 聖子|MASAKO Yamada
山田 聖子|MASAKO Yamada
9月11日
読了時間: 10分

管理職の社外メンターサービスGood Teamの山田聖子です。

今回は、管理職の方からよくいただくお悩み「1on1で話すこと」をテーマにお届けします。


まず、管理職の皆さんが、

1on1で話すことに迷うのは、話題の不足よりも、対話の目的と進め方が曖昧だからです。


1on1は上司が用意した話題を消化する場ではありません。

部下の言葉を起点に、現在の状況・成長・業務・上司やチームとの関係性を捉え、次の行動を一緒に考える時間です。


この4つのテーマを基本に、質問、傾聴、行動の合意、振り返りまでを1つの流れに変えると、話題探しだけに追われにくくなります。

目次


1on1の目的は、対話を通じてチーム成果につなげること


1on1は、実施することが目的ではありません。

1on1は、メンバー一人ひとりが力を発揮し、チームで成果を出すための対話の手段です。


そのために管理職は、メンバーの現在の状態や考え、仕事への認識、目指したいこと、チームとの関係性などを理解します。

同時に、メンバー自身にも、自分の状態や考えを言葉にしてもらい、管理職やチームが目指していることへの理解を深めてもらいます。


そして、

  • 今、どのような支援が必要なのか

  • 何を任せるのか

  • どこで認識を合わせるのか

  • 次に何をするのか

を一緒に考えていきます。


上司が部下の話を聴き、次の行動を一緒に整理している場面

業務の進捗確認だけで終えると、定例会議との違いが薄くなります。

雑談だけでも、成長やチーム成果との接続が見えにくくなります。


だからこそ、1on1では開催回数や時間以上に、チーム成果に向けて何を確認し、何を対話する必要があるのかが重要です。


まず「今日は何を話せると有意義ですか」と尋ね、部下が扱いたい内容を確認しましょう。

そのうえで、事実、本人の受け止め、ありたい状態、次の行動の順に会話を進めます。


上司が話す量を抑え、部下が考えて言葉にする余白をつくることも重要です。



1on1で話すことを決める4つのテーマ


毎回すべてを扱う必要はありません。

部下の状況と優先度に合わせ、次の4領域から1つか2つを選びます。


1on1の4つのテーマを整理した図

1、現在の状況

心身の状態、仕事量、気がかりだけでなく、チームの中で安心して働けているかも確認します。


例えば、

  • チームの中に自分の居場所があると感じられているか

  • 困ったときに相談できる人がいるか

  • 分からないことや弱さを出せるか

  • 自分の意見を伝えられるか

  • メンバー同士で支援し合えているか

といった状態です。


「最近、仕事をしていてどんな気分になることが多いですか」

「負担が偏っている業務はありますか」

「チームの中で相談しづらいことはありますか」

と尋ねると、表面上の進捗だけでは見えない状態を把握できます。



2、成長とキャリア

身につけたい力、挑戦したい役割、強みを発揮できた経験を扱います。

評価面談の時期だけでなく、日常的に本人の関心を捉えることで、役割や経験の渡し方を考えやすくなります。


また、キャリアは「将来どんな役職になりたいか」だけではありません。


本人が、

  • 仕事を通じて何を実現したいのか

  • どんなことに意味を感じるのか

  • 企業やチームが目指していることと、自分が大切にしたいことにどんな接点があるのか

  • 今の目標や経験が、自分の将来にどうつながるのか

を考えられることも大切です。


「今後、身につけたい力はありますか」

「この仕事を通じて、どんなことを実現したいですか」

「今の目標が達成できたら、自分にはどんな力が残りそうですか」

といった問いから、本人が未来に納得して働ける状態を一緒につくっていきます。



3、業務とチーム成果

仕事の目的、優先順位、障害、必要な支援を整理します。


進捗を問い詰めるのではなく、「成果に近づくうえで何が障害になっていますか」と、前進を妨げる要因に目を向けます。


また、自分の担当業務だけではなく、

  • チームが何を目指しているのか

  • その中で自分にはどのような役割があるのか

  • 誰とどのように連携する必要があるのか

  • 仕事を進める仕組みに問題はないか

も確認します。


管理職が「この人にはこれくらい支援すればよい」と一人で決めるのではなく、どのような支援が必要なのかを本人とも認識合わせすることが大切です。


例えば、

  • どこまでは自分で進められそうですか

  • どこから支援が必要ですか

  • 途中でいつ一度確認するとよさそうですか

  • 私から具体的に伝えてほしいことはありますか

  • 反対に、任せてほしいところはありますか

と確認します。


同じメンバーであっても、経験や業務の難易度、その時の状態によって必要な支援は変わります。



4、上司やチームとの関係性

連携のしやすさ、意思決定、情報共有、メンバー同士の相互支援、上司への要望を扱います。


「私の関わり方で増やしてほしいこと、減らしてほしいことはありますか」

と聞けば、管理職自身の改善材料も得られます。


また、

「チームの中で、もっとこうなれば仕事がしやすいと思うことはありますか」

「誰かともっと連携できるとよいと思うことはありますか」

「困ったときに、周囲へ助けを求められていますか」

といった問いから、チーム内の関係性にも目を向けます。


1on1は、上司が部下を理解するだけの場ではありません。

部下が管理職の考えやチームの方向性を理解し、お互いの認識を更新することも重要です。



部下の考えを深める1on1の質問例


質問は、答えを誘導するためではなく、部下が自分の経験や考えを整理し、言葉にするために使います。

すぐに助言せず、答えを受け止めてから掘り下げましょう。



  • 今、一番話しておきたいことは何ですか。

  • 最近、うまく進んだ仕事は何ですか。何が生かせましたか。

  • 反対に、引っかかっていることはありますか。

  • その状況を、本人としてはどう捉えていますか。

  • どうなれば前進したと言えそうですか。

  • 次に試したいことは何ですか。

  • 私やチームから、どのような支援があると動きやすいですか。


質問を連続すると、尋問のように感じられる場合があります。

相手の言葉を要約し、「その点をもう少し聞いてもよいですか」と確認してから深めます。


質問後に沈黙を待ちながら対話する1on1の場面

沈黙も、本人が自分の中にある考えを整理する時間です。すぐに次の質問で埋めずに待つ姿勢も必要です。


対話を重ねることで、最初から本人の中に明確な答えがあったわけではなくても、本人自身にも見えていなかった考えや思いが少しずつ言葉になることがあります。



1on1は部下だけに話題を準備させない


「1on1で話すことを部下側にも準備してほしい」と伝えるだけでは、部下にとって負担になることがあります。

一方で、上司が毎回アジェンダをすべて決めてしまうと、上司が確認したいことだけを扱う時間になりかねません。


大切なのは、1on1の目的と、どのようなことを話してよい場なのかを共有し、その時必要なテーマを双方が持ち寄ることです。


例えば、

  • 今の状態

  • 相談したい業務

  • 挑戦したいこと

  • チームや上司との関係で気になっていること

などを、話してよいテーマとして共有しておくだけでも、部下は話題を選びやすくなります。


部下が話題を出さない場合も、意欲がないと決めつけないことが大切です。

何を話してよいか分からない、発言が評価に影響すると心配している、まだ関係性ができていないなど、さまざまな背景があります。



1on1で話すことがないときの進め方


「特にありません」と言われたら、無理に深い話を引き出す必要はありません。

まず、「大きな問題がないということですか。それとも、話題を選びにくい感じですか」と確認します。


前者なら、最近の小さな変化やうまくいったことを振り返ります。

後者なら、状況・成長・業務・関係性の4つのテーマを示して、今話してみたいものを選んでもらいます。


それでも話すことがない場合は、短時間で終えて構いません。


ただし、次回までに少し意識しておくテーマを決めておくことはできます。

「仕事が進みやすかった瞬間を1つ覚えておく」

「周囲に助けられた場面を意識してみる」

など、日常に目を向ける問いを渡すと、次の対話の材料になります。


話題がない状態から一緒にテーマを選ぶ場面

毎回話題が出ないときは、頻度や時間だけでなく、

  • 安心して話せる関係になっているか

  • 評価面談と混同されていないか

  • 上司が助言しすぎていないか

  • 部下だけに話題を用意させていないか

も振り返りましょう。


話題リストを増やす前に、1on1そのものの関係性や進め方を見直すことが必要な場合があります。



フィードバックを成長とチーム成果につなげる方法


1on1のフィードバックは、人格ではなく観察できる行動を対象にします。


「会議での説明が分かりにくい」ではなく、

「結論の前に背景説明が続き、参加者から判断点を尋ねる質問が3回あった」

のように、事実を具体的に伝えます。


事実と次の行動をホワイトボードに整理する場面

その後、

「本人はどう感じましたか」

「次回は何を変えたいですか」

と問い、本人の認識を確認します。


上司から提案する場合も、正解として押しつけず、選択肢として示します。

反対に、できていたことについても、

「よかったです」

だけで終わらせず、


何ができていたのか、それがチームや成果にどうつながっていたのか

を具体的に伝えることで、本人は自分の強みや成長を理解しやすくなります。


最後に、誰が、いつ、何を試すかを小さく決めます。

次回の1on1では実践結果を振り返り、続けること、変えること、支援が必要なことを整理します。


Good Teamでは、この対話→実践→振り返り→改善の循環を管理職の方が自ら回せるようになることも、大切にしています。研修で知識を学んだあとも、現場で使い、結果を振り返り、メンバーやチームの状態を改めて見立てることで、管理職としての次の成長につながります。



1on1で話すことに関するよくある質問


1on1では何を話せばよいですか

1on1では、部下の現在の状況、成長やキャリア、業務とチーム成果、上司やチームとの関係性を中心に話します。毎回すべてを扱う必要はなく、その時の部下やチームの状況に応じて、必要なテーマを選びます。

大切なのは、話題を消化することではなく、対話を通じて必要な支援や次の行動を一緒に考え、チーム成果につなげることです。



1on1では仕事以外の話もしてよいですか

部下本人が話したい範囲であれば、仕事以外の話題を扱っても構いません。ただし、私生活へ無理に踏み込まず、仕事の状態や必要な支援との関係を意識します。

答えたくない内容は話さなくてよいことも伝えましょう。



業務の進捗確認をしてはいけませんか

進捗確認を含めても構いませんが、それだけで終えないことが大切です。

事実を確認したあとに、「本人はどう捉えているか」「何が障害か」「どのような支援が必要か」を尋ね、本人の考えと次の行動につなげます。



部下が話してくれないときはどうすればよいですか

意欲がないと決めつけず、何を話してよいか分からない、評価への影響が気になる、まだ安心して話せる関係ができていないなど、背景を確認していきます。

4つのテーマから選んでもらう、上司自身の改善点を尋ねる、短時間で終えるなど、話す負担を下げる方法を試します。



上司はどこまでアドバイスすればよいですか

まず部下の考えを聞き、どのような支援が必要なのかを確認します。

本人の経験や業務の難易度によっては、自分で考えてもらうだけでなく、具体的な方法を示した方がよい場合もあります。

大切なのは、上司が一方的に支援方法を決めるのではなく、どこまで本人に任せ、どこから支援するのかを認識合わせすることです。



毎回同じ話題になっても問題ありませんか

継続して扱う必要があるテーマなら、同じ話題でも問題ありません。

ただし、状況確認だけを繰り返さず、前回決めた行動、その結果、気づき、次に変えることを振り返ります。

対話と現場実践をつなぐことで、変化を捉えやすくなります。



1on1を現場で磨く体験セッションへ


質問例を知るだけでは、相手や状況に応じた対話は身につきにくいものです。


Good Teamでは、研修だけでも対話だけでもなく、管理職の状態の見立て、管理職役割12ステップという型、本人の強み、現場実践を組み合わせ、社外メンターが管理職の成長を伴走します。


まずは、ご自身が1on1で困っている場面、育成したい部下、対話を通じて実現したいことを整理してみてください。


実際の課題を題材に関わり方を見直したい管理職の方は、体験セッションをご検討ください。

まだ具体的な支援を決める段階ではなく、他の管理職との越境的な学びに関心がある方は、Good Team LOUNGE.もご覧いただけます。



この記事を書いた人

山田 聖子|MASAKO Yamada

株式会社Hitoiro 代表/管理職の社外メンターサービスGood Team代表


管理職の社外メンターサービスGood Teamを運営する株式会社Hitoiro代表取締役 山田聖子

成人発達理論をベースに、管理職自身の実践を起点にしながら、一人ひとりの強みや経験を生かし、チームとして成果を出すための判断や関わり方を扱うリーダーシップ開発に取り組んでいる。社外メンタリングを通じて、これまで延べ1,000人以上の管理職の支援に携わってきた。



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